Wednesday, August 03, 2011

今までこちらでは一切告知をして参りませんでしたが、本日株式会社カプコン様より、任天堂3DS用ゲーム
謎惑館(なぞわくやかた) 音の間に間に
が発売になります。
立体音響研究は糊口をしのぐための仕事の合間にライフワークとして行っているため、どうしても連絡や折衝に割く時間がなく、CDの頒布依頼フォームとこのブログのコメント欄以外の連絡方法はありませんでした。であるにもかかわらずお声がけをいただき、最終的にこのような形でお役に立てたことが今でも半ば信じられない思いです。

録音方法が特殊な上、機器の関係でさらに特殊さが上塗りされたような状況でしたが、スタッフの方々も声優さん方も暖かく接してくださって楽しく仕事が出来ました。この場をお借りして、皆様本当に本当にお疲れ様でした。

使用されているボイスやSEはすべてオトフォニクスという訳ではありません。モノラル、3DS内蔵のリアルタイムバイノーラルなども併用されています。
リアルタイムバイノーラルは頭部伝達関数を用いて任意の場所にモノラル音声を定位できる技術です。
演算によって任意の定位が動かせるため、オトフォニクスのような音場記録方と異なり、本当の意味でゲームに向いている、使いやすい方式です。
そのようなものがちゃんとあるのにオトフォニクスのような面倒な録音方法を採用してくださった理由は様々あるのでしょうが、私の個人的な推測では、おそらく音場記録方式特有の実在感ではないかと思います。
耳元でキャラがささやくとき、リアルタイムバイノーラルは耳の位置にある点音源が全方位に音波を放射するのみですが、オトフォニクスではキャラを演じる声優さんの肉体の気配も含めた音場を記録するため、隣にキャラさえも超えて声優さんが実在し、耳元でささやきかけてくる、そんな音になっていると思います。

声優さんの演技以外にも意外なシーンで使われているので、お求めになった方は色々なシーンで耳を澄ましてみてください。
幸いにも今月11日から3DS本体は1万円もの値下げが行われ、より手に取りやすい価格になります。
事実上の値下げ後のローンチとして、この不思議な世界に耽溺してみてはいかがでしょうか。

というわけで、Otophonicscapeともどもよろしくお願いいたします。

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